Tama語録

ふつうのおばさんのTamaさんです。考えてる事や感じる事をゆるゆるに、でもココロ込めて書き留めていきますね。長く緩くて寛容な国に住んでいたので、ちょっとユルいです。(事情あり、アイコンは10年程前の写真です。)

2013年4月28日 @アブダビ

2日間の経験をどこから始めて書いたらヨイか。まず忙しいパパとの不十分な情報交換によるボランティア活動の内容の理解齟齬から。今回のグループは肢体不自由児施設ではなく、孤児院を対象に企画。AlAinにある孤児院から18人の子供達と世話役女性2名を楽しい週末にご招待。学生が手配した貸切バスでやって来てた。某国営エネルギー系会社のCSR部門からこの「楽しい週末」の為に30,000dhs(約75万円)を調達。アブダビーバボー。数か月前には他の国営企業のスポンサーで、南極旅行に二人行ったことを思えば何でもないケド。
アブダビからRuwaisへの公共バス初体験のすったもんだ。
ネットには時刻表がないから、電話した。「アブダビからRuwaisへのバスのスケジュールを教えてください。」「ドバイ行きは朝6時が最初です。」「え?ドバイじゃなくてRuwaisです。」「ですからドバイ行きは朝6時が一番早いです。」「だからドバイじゃなくてRUWAISのRuwaisですって。方向が違うんですケド。」「ドバイに行くバスは。。。」これを5回やられてブチ切れた。「英語は解りますか?」「完璧にわかります。だからあなたと話をしているでしょう?」ぶちぶちっ「スーパーバイザーと代わって下さいっ。」3分保留。「代わりました。何か?」「西部地区のRuwais行きのバスのスケジュールを教えてください。」「待ってください。はい、6時45分以降、2時間に1便です。X86番バスです。」「ということは、6時45分、8時45分、10時45分というスケジュールですね?」「そうです。」「Ruwaisのスペルを言ってみて下さい。」「RUWAIS」「西部地区のドバイと反対方向のRuwaisですね?」「そうです。」「ありがとうございました。前の担当に人には、ちゃんと指導をしてください。質問を全く聞いてくれませんでした。」「大丈夫です。同じ事は絶対起こりませんから。」どうやって?と思いながら午前中は娘のボーイフレンドのママと初めのお茶だし、ばたばたシャワーしてたら、3人の子持ち博士女子から電話がかかって来た。「お願い。助けて。息子が高い熱だしてて幼稚園お休みで、娘だけを幼稚園連れて行かないといけないの。息子と赤ん坊を見てて欲しいの。」「どれ位?」「30分マックス。」むむむ。でも寝てる病気の子と赤ちゃんを起こして車に乗せて行くわけにも、ほっといて行くわけにも行かないわな。「オッケ。今から行くわ。」で、お留守番してたら25分で帰って来た。優秀。と思ったら、話したいことが溜まっていたのか、いろんなお題で話し出した。ディスカッションは嫌いではない。大歓迎である。普段ならね。今は娘のボーイフレンドのママとのお茶と一泊2日の旅の準備がかつかつ状態なのよ。やっと失礼して家に帰ったら、もう時間がナイ!化粧もせず、ワンピにアイロンじゃなくて霧吹きシュッシュだけして、翌日の着替えの選択もそこそこに放り入れ、家を飛び出して「タクシー!」 車内でほっと一息、色つきリップだけは塗れた。私の第2のリビング、カフェアラビアで会った娘のボーイフレンドのイギリス人ママはとっても素敵な人だった。まだまだ話したいケド、「12時45分のバスに乗るので。さようなら。よい週末を~!」やっと捕まったタクシーで焦りながらバスターミナルに到着したのは12時40分。間に合った~!と喜んで「Ruwaisまでのチケットください。」「チケットはバスで買って。」「バスはどこから出発ですか?」「あっち。X88番バス。」「45分出発ですね?」「1時出発。」「え?」「その後は1時30分。その後は2時。」「え?30分毎ですか?RUWAISですよ?」「そう。毎時30分発。」スーパーバイザーめ~!6時45分が始発でその後は2時間ごとって言ったじゃん~!ホントいい加減なんだから。でも何で僻地Ruwaisに30分毎にバスが出るワケ?バス一番乗りで一番前の眺めのヨイ女性席に陣取って観察したら、2人目はフィリピン女子。3人目はバングラ男子。4人目はインド人男性。5人目はパキスタン親父。以上。私入れてたったの5人!「Ruwaisまでは何キロ?」「250キロ。」「何時間?」「3時間。」「で、5人だけ?」「ノープロブレム。」もったいない。「あなたは1日何往復するの?」「3往復。」じゃ、朝6時から最終までの僻地Ruwais便を賄うのに、一体何人運転手が必要なワケ?アブダビのバスが赤字な理由がはっきりくっきり解っちゃったわい。乗り心地ヨイ高級ドイツ製バスだし、余計な心配せずに取敢えず目的地に。途中の休憩場所はTarif Bus Station。乗継地点だったらしい。更に10人乗ってきた。「10分休憩します。」10分は忙しい。お腹も空いた。でも売店にはお菓子とカップ麵とインド系揚げ物しかない。「これグッド。」と勧められるままにサモサ2個とリンゴジュースをゲットして急いでバスに戻った。でも運転手はいない。結局休憩は30分に及び、デカいバスは15人の乗客を乗せてまったりと走り出した。インド人女性は後ろの席へ。フィリピン女子はヘッドフォンで音楽聴いてる。話し相手いなくてつまんなかったぞ。3時間経ったらRuwais Bus Stationに到着。ナンだ。普通に着いたじゃん。でもパパがいない。電話したら「待合室にいるよ。」「私も待合室にいるよ?」「この待合室、小さいし見えないワケないけど。いないよ?」「同じく。」ヤな予感。「すみません。ここ、Ruwaisですよね?」看板指さし確認。「そう。もう一つRuwaisステーションあるケド。」「なぬっ?!でもここにRuwais Stationって。」「でももう一つ10キロ先にもある。」ワケわかんな~い!じゃ、パパはそっちで待ってるんだ。Ruwaisの大学キャンパスで働くパパも、このバス停留所の存在は知らなかった。どうりで周りになぁんにもない筈だ。パパを待ってる間、本を読んでてもつまんないから外に出て見た。アジア系作業服男性2名がじろじろ見る。ヒマつぶし見つけた。「韓国の方ですか?」って韓国語で話しかけたら"No No. No English." 中国語で「中国の人ですか?」って聞いても"No No. No English." 男性同士の会話を聞いたら中国語。僻地バス停であやしいアジア人オバさんに中国語で話しかけられるなんて、予想外だよね。立去る彼らに「再見。」これは通じた。再度会う事なんて、まずナイけどね。僻地で全く不要な一期一会感に浸ってる間にパパが到着。Jabel Dhanaホテルへ。きれいなビーチが見える素敵なお部屋。晩御飯はイタリアンで大満足。接客も良かった。バフェはアジアンナイトだったけど、消しゴムみたいなカチカチのお寿司見てドン引きして止めといた。正解。
Ruwaisのホテル からGyathiのアラブ馬ファームへ。
  朝は8時出発で女子生徒家族所有のアラブ馬ファーム訪問。20頭程のアラブ競走馬や生後3日のかわい~赤ちゃん馬に始まり、ロバ、ガゼル、白鳩、うずら、ダチョウまでいる動物園状態。丸い花壇のまわりをアラブ馬に乗せてもらってぱっこぱっこ歩く体験。(当方も参加)ピクニックで飲食。たっぷりザフラン(サフラン)が入ったオレンジ色のガファ(アラビックコーヒー)やチャイに、自家製のザター、トマトソース、チーズなどのパンに、たくさんのお菓子や飲物が振舞われた。お約束の香炉もちゃんと回って来て、アバヤじゃないワタシはカーディガンに焚き染め。お菓子と甘いジュースでハイになってる子供達は大騒ぎ。バク天したり横転したり、放たれた仔馬を追いかけて見たり。のびのびして屈託がない。「きっとたくさん愛情をもらってるからですね。」って世話役の人に言ったら「ハンブレラ。」ってにっこりしたのは年寄りの方。反応しなかったのは「子供達は全部で何人来れたんですか?」の質問に答えられなかった若い世話役。
Gyathiの別の家庭で昼ごはん
  別の女子生徒の家でランチ。まずはお決まりのガファにチャイだったけど、出てきた自家農場産デーツに添えられてたのがよく出るクリームじゃなくて、自家製の山羊のチーズ。牛乳よりクリーミーなカッテージチーズで、それにこれまた自家製の緑色の山羊のギ―が掛けられてた。自慢じゃないケド、ヤギのミルクとチーズは臭くて大の苦手。困った、どうしよう、と思っても引き下がる私ではない。砂糖っ気でつやつやしたデーツを一つつまみ、チーズの中をくぐらせて、はむっ。ん?何だ、おいしい。クサくない。もう一つ。あれ?やっぱり美味しいわ。と意外性に感動。次に伝統的マクブーズが出てきてランチ。70cm位の大皿に盛られた炊き込みご飯に羊の丸焼きがド~ン。皮がカリカリして北京ダックのような食感は初めてだった。接待してくれたのは女子生徒のお姉さんで、パパの昔の生徒。今では3人の子持ち。体も声もデカい。なのに子供はすごくシャイ。「ハズバンドがシャイだから。がっはっは。」マッチョなアラブ男子も彼女にはシャイでいるしかないだろな。大きな敷地に大家族。「ウチはお父さんが私のお母さんともう一人若い奥さんがいるから、余計子供が多いんです。」らくだを100頭以上所有。毎年らくだコンテストに参加し、今年は1頭6000万円で売れたのがいたって。子供もらくだも沢山いるのね。大家族にシュクラン、マルサラーマして次の目的地へ。
Qasr Al Sarab Desert Resort by Anantara
一度は行って見たかった、この5つ星ホテル。行けてよかった。素敵だった。でも子供まみれで大変にタイヘンだった~。農場で教えた日本の遊び2種。その1:二人が50cm位距離を開けて立ち、手のひらでパチンパチンと押し合って、足を動かした方が負け。その2:あっちむいてホイ。 あっちむいてホイはジャンケンがイマイチで小さい子には難しい。手の平ファイトが大ウケでどこでもこれをねだられる。子供同士でやれと言っても、私とやりたがって押し合いへし合い順番ぬかし。これを5つ星ホテルでもやり続ける。世話役の女性2名も学生達も誰も統制しようとする人はいない。乱暴者が2名いて、何をどう言っても言う事を聞かない。押す。蹴る。しつこい。こんな素敵なホテルのロビーでバカンスの他の来訪者に迷惑。どうしよう、と思ってたらランドクルーザーが続々到着し、砂漠のジェットコースター、サファリに出発。騒ぎたいだけ騒げ。パパと英国人先生と別の車に飛び乗って、お先に出発。後ろから「待って~!」待たないわい。
以前にも2度ほど別の場所でサファリを体験したことがある。でも、ここが一番きれいだったかも。運転手はパキスタン人でサファリチームのリーダー。私達の車が付けた道を他の車が辿って来る。一番前だから、車輪跡の全くない砂漠の景色を楽しめた。後ろからスサマジイ嬌声が聞えてくる。子供達がスリルで大騒ぎで楽しそう。「孤児院の子達が週末を楽しみに来てるんですよ。」「あなた達は先生ですか?」「私以外は先生です。」「ボクも実はパキスタンで学校を経営してます。故郷の公立学校は崩壊状態で、私学はとても高い。いい教育を手ごろな授業料で提供しないといけないと思って建てました。120人生徒がいます。妻も教師をしてます。」おお、そうなのか。いい感じの人だと思った。「あなたの子供は何人ですか?子供多いでしょう?」「はい。6人います。」やっぱり。「ボクの学校に行ってますから、教育にはお金かかりません。」私の持論が証明された。教育にお金がかからなかったら少子化に歯止めがかかる。私学に頼らなくてもいいよう、公立で質の高い教育を実現する事で、個人の将来も国の未来も創れる。ふむふむ。と砂漠を滑り落ちながら急斜面を駆け上がりながら、全く関係ない所に思考が飛んでたら、前方の砂漠の真ん中にいきなりなラクダの群れ。「何であんなところにラクダが沢山?!」とパパ。「私達が乗るのを待ってるのでしょ。」バングラ男子2名が大騒ぎの子供達をひとりひとりラクダの背中に乗せて、キャラバン出発。活発で悪態ついてた女の子が意外に意気地なしで「コワイ~。」って乗らずに伴走。こっぽりこっぽりゆっくりと歩くラクダだけど、乗ってるのは案外ラクではない。揺れるし高いし結構不安定なのよ。やっと足を持ち上げて降りて、担当ラクダさんにシュクラン、マルサラーマしてホテルに帰着。素敵なサファリ体験だった。担当ドライバーさんに「シュクリア!是非また会いたいです。」もし行く人がいたら、リーダーのモハメッド・アシュワックさんの車に乗ってね。
次に向かったのは、ホテル前の砂漠でのハヤブサの狩りの模様の実演。隼は最高速度300kmで落下飛行でき、1200m先が見えるんだって。隼が3匹、クッション付きの杭に目隠しヘルメット被せられてとまってる。それにまたちょっかいを出しまくる悪ガキたち。暴れる隼。全く指導しない世話役の人達。欧州系観光客が冷たい目で引きまくってる。いくら言っても聞かない。しつこい。統制不能。そうか。世話役の人達は諦めてるのか。でもそれじゃ、迷惑を被る周りは納得しないでしょ。隼使いはパキスタン人。ラクダと言い、隼と言い、この国の文化伝統は、使用人であるバングラデシュパキスタンの人に受け継がれてるわw
ホテルに戻ったら晩御飯の時間。着席したら、2つの大テーブルの内、私のテーブルは私以外全員子供。もう一つのテーブルは15歳、16歳孤児を含めた学生と世話約と先生の落ち着いたテーブル。ナンデ?!バフェで思い思いの物を皿に取ってくるんだけど、子供達はいきなりデザートコーナーに。右隣に座った問題児悪ガキ女子の皿には、マシュマロ、m&m、チョコレート、フライドポテト。以上!左のフィリピンハーフ顔の男子の皿には、フライドチキン、マシュマロ、アイスクリーム。以上!げろげろ。ナンだ、こんなに素晴らしいお料理が沢山あるのに。もしかして、背が低いから料理が見えなかったのかも?と思って悪ガキをバフェに連れて行って、抱っこで持ち上げては見せたけど、やっぱり興味を示さない。私が取ってきた野菜料理を口に運んで食べさせようとしてみたたけどみんなクビを振る。で、試しにお寿司コーナーにあったお箸を持って来て、ひよこ豆料理をつまんで「あ~ん。」してみた。箸に気を取られて思わず「あ~ん。」して食べた。悪ガキにも「あ~ん。」食べた。これは使える!と思ったら4、5人が走っていなくなった。で、みんなお箸をゲットして帰って来た。悪ガキが割り箸が割れなくて苦労してる。助けてあげたら、何とお箸でアイスクリームを食べだした。左を見ると、マシュマロをお箸で食べようとしてる。ダメだ、こりゃ。。。
砂糖エネルギー満載の晩御飯を食べ終わると、座った状態でできるあっち向いてホイを仕掛けてくる。私はまだ食べれてないのよ。ちょっと食べさせてよ。あっち向いたっきりになっときなさいよ。やっとお楽しみのデザートだと思ってコーヒーをオーダーしてデザート盛り合わせして席に戻ったら、あっちの大人席の人達が「もうそろそろ出発しましょう。」これからゆっくりデザートって思ったのに~。「楽しい週末」の終わりはかくも急にやってきた。子供達をトイレに連れて行ってバスを待ってる間も手の平ファイトとあっち向いてホイでじっとさせといて、バスに押し込んで、さよなら言って。朝8時から夜9時までの子供まみれ阿鼻叫喚の「楽しい週末」の終わりはあっけなく、バスの運転手がバタンとドアを閉めたら黒いガラスの車内はもう見えない。見えてない車内の子供達に向かってシュクラン、マルサラーマ。何だか洗濯機に揉まれてたような1日だったけど、オバさんも楽しかったぞ。Al Ainに帰っても、手のひらファイトとあっちむいてホイ、修業してくれますように。実はビッグママんちの子供達にも仕込んでいる。何年後かには、UAE中で流行すると予言しておこう。
UAEでは養子縁組が認められていないし、近しい身内の子以外は家族として養育しないと聞いた。孤児院にいる子達は、モスクの前に置かれていた子が多いって。1985年にシェイクザイドが建てた孤児院で生活する子達は、成人しても出て行く必要はなく、いつまででもいていいらしい。ひとりひとりがiPadや携帯を持っているし、服装も身ぎれい。のびのびしている。でも15、16歳の思春期女子達の表情には曇りがある。普通の家庭育っていてもややこしい思春期を孤児院で過ごす彼女達。曇りがある方が当たり前で健康的かも。でもみんなおいおい就職したり、結婚したりして落ち着いていくんだって。そして「自分の家だし兄妹がいるから。」ってまた遊びに帰って来るんだって。限られた通訳で限られた情報だったけど、「楽しい週末」の実現は言葉無くしても実感できた。ティーンエイジャ達も最後は綻んでた。ヨイ動機で行動を起こすと、ヨイ企業スポンサーが付いて、ヨイ金額のサポートをしてくれて、ヨイ結果を出すことができる。いいとこあるじゃん、この国。アブダビューティフルな砂漠に思い出できた。11時半に自宅に帰着。「楽しい週末」に感謝しながら、歯磨きもそこそこに撃沈した。